中学受験:【算数アップの秘訣】
算数の場合、国語ほど簡単にはいきませんが、それでも3ヶ月あれば十分間に合います。 もちろん生徒の状況を具体的に分析し、本人に合った青写真を描いてこその話ですが。
ただし、ここでの対象は合不合テストで偏差値55以下の生徒に絞らせていただきます。 なぜなら、60以上の生徒は自力で算数は十分乗り切れる筈ですし、やり方が全然違うからです。
また、55以下の生徒ならば、驚くほど伸びる可能性があるからです。
それではまず算数を伸ばす基本的な考え方を解説しましょう。
- 「家で教えるとできるのにテストになるとできない。」
- 「小テスト(範囲が決まっている)ではできるのに、公開テストだとできない。」
- 「うちの子はおっちょこちょいで、テストになるとミスをする。」
どれもどれもよく聞く話です。 そして、多くの方が
「やり方が分かればできるようになる」または「丁寧に教えてもらえばできるはず」 と考えています。
残念ながら、こういった誤解をしている限り、算数は得意になりません。
皆さんは今まで、算数は国語以上に時間をかけ、エネルギーを費やしてきた筈です。
それなのに、ひたすら問題を解き、やり方(解説)を理解するものだから、成果が出ないのです。
算数はやり方を理解したり覚えたりするものでなく、「考える力を試す」ものなのです。
【@算数=教えると伸びない(○) ⇒考える訓練が必要】
では、「考える」とはどういうことでしょう。
算数の問題が解けないとき、黙って頭を抱える生徒がいます。
これは考えているのでなく、考えているように見える、または見せているのです。
もちろん、本人は考えているつもりでしょう。でも、実際には考えているとはいえません。
これを日常生活で考えてみましょう。
例えば、外出時「今日の天気を考える」場合 、「今日の天気は・・・うーん・・・」 と頭を抱えますか?
違いますよね。
「雨が降るかもしれない」「傘を持っていったほうがいいかな」「雨はやむかもしれない」
「傘が邪魔になるかもしれない」「傘を買うことになるかもしれない」 などと、考えるでしょう。
この時、何をしています?
そうです!仮説を立てているのです。 つまり考えるとは仮説を立てる事なのです。
【A考える=仮説を立てる】
では、なぜ「考える=仮説を立てる」ことが大切なのでしょうか。
例えば、面積図を使う問題があるとします。
解けない子にやり方を教えればその問題は一時的にできるようになります。
その時の例題も解けるでしょう。では、テスト本番でできないのはなぜか?
まず、問題の題材が変わるからです。
練習では「みかんと箱」の問題が、テストでは「仕事と日数」になったりします。
「箱の問題だから面積図だ」と理解している子はやり方が分からないのです。
つぎに、テストではパターンであることが分からない(ベールで隠す)問題が出るからです。
だから面積図を使うのか、線分図を使うのか、また面積図の縦横に何がくるかが分からないのです。
練習のときに、「〜かな、・・・かもしれないなぁ」と考えていれば、
本番で「あっ、この考え方は面積図が良いかもしれない」と考えて対応できます。
つまり、1つやれば10できるということです。
私が今まで指導してきて、算数が苦手な子に共通していたのはこれが出来ていないのです。
もちろん、天気では出来ています。でも、算数になると出来ないのです。
【B算数が出来ない(考えられない)原因 -その1- 】
原因はいくつかあります。まず、塾の問題です。
ここ数年塾では人材確保が難しくなってきています。個別指導や少人数制が流行っているからです。
特に中学受験の場合、相手が小学生なので大人数での授業は出来ません。
親御さんも少人数を好みます。 そうなると、先生の給与を下げるか、月謝を上げるかしないと
塾の利益が出ないのです。 でも月謝を上げるにも限度があり、当然先生の給与にシワ寄せが来ます。
そういう事情の中、先生の人数を確保しなければならないわけですから、
レベルの高い先生とそうでない先生が出てきます。
そこで、塾はどの先生でも授業が成り立つように充実した指導マニュアル、
つまり「解き方」を作るわけです。
そして、演習→解説→宿題→テストというシステムで進んでいくのです。
算数が得意な子は自分で考えるクセがあるので、やり方をどんどん吸収し、使いこなせます。
しかし、苦手な子はこのやり方では考える力はつかず、
やり方(解説)の暗記が算数となり、さらに苦手になってしまうのです。
【C算数が出来ない(考えられない)原因 -その2-】
次に親の問題があります。
まず、「親が丁寧に説明する」パターン。
解説を読んで、やり方を教えていませんか?
小学生の問題なので、4年や5年のうちは解説を読めば親でも教えられます。
しかし、解けない問題の解説を見ながらやり方を教えると、
子どもは単にやり方を覚えるようになってしまいます。
つぎに、「親が働いていて忙しい」「塾で真面目にノートを取っている」パターン。
忙しくて親が見てあげられない場合、塾任せになります。運良く良い先生に当たればよいのですが、
そうでない場合、やはり子どもはやり方を覚えようとしてしまうのです。
また、親子のコミュニケーション不足が原因で考える機会が少ないケースもあります。
お母さまの性格やお子さんへの接し方にも問題のパターンがありますがここでは割愛します。
子どもは覚える天才です。母国語を覚えるために神様がそうやって造っているのです。
幼児は、大人が飽きてしまうくらい同じビデオを見たり、同じことを繰り返すことを要求します。
そうやって繰り返して覚えるように出来ているわけです。
しかし、大人になると単に繰り返すことは苦痛になってきます。
考える頭になってくるからです。
中学受験はこの転換する時期にあるのです。だからこそ、考える訓練をする必要があるといえます。
前項の内容に反するがキレイ事は言いません。
上位校では、単純なパターンでは出ませんがそれでも少し手を加えれば典型問題帰着します。
また得意・不得意がハッキリしている生徒の場合、不得意分野の一行問題を一通りマスターすることが
有効といえます。
【D算数が出来る子と出来ない子の差】
上位の生徒はもともと考えるクセがついています。
しかも、与えられた時間内で問題を解く余裕があるので、 塾の解説を聞いて
自分が「なぜ出来なかったのか」を理解できます。
ところが、下位の生徒の場合、ただひたすら解き方のパターンを暗記することになります。
そして、早い時期から塾に通い、たくさんの問題をいっぺんに与えられ「短時間で解け」
ということになれば、 生徒は自分で考えるより覚えた方が早いということになります。
算数を「暗記科目」にしてしまうと、同じパターンの問題しか出来なくなり
時間がいくらあっても足りません。当然応用問題は苦手になります。
算数は生徒とコミュニケーションを取りながら、仮説を立てる訓練をし、少しずつヒントを与え、
自分で解答を導き出すようにすることです。
「習っていないからできない」→「考えればできる」に変えていくことがポイントです。
|